最近のウッドショック

 こんばんは。
株式会社谷口製作所谷口です。
 最近目にすることが多い『ウッドショック』
需給の逼迫によって木材価格が平時の数倍に急騰することを
指す言葉らしいです。
 ウッドショックの背景には、住宅需要が拡大したことと
コンテナ不足や貨物船の減便により、木材の供給網が
停滞したことも関係あるようですね。

 じゃあ、外材が入ってこないなら国産の材木の相場も
上がって、多少なりとも衰退し続けている国内の林業の
活性化に繋がるのかな?と単純に思ってましたが、
調べてみるとこんなレベルの話ではとても林業の
活性化には繋がらないみたいです。
 
 下記の林野庁のグラフを見てみると

 見にくいかもしれませんが、平成29年時点で、昭和35年~40年頃の
材木価格と同じなんです。
 ピーク時は昭和55年でヒノキ中丸太76,400円、スギ中丸太39,600円、
カラマツ中丸太19,100円です。
 平成29年でヒノキ中丸太18,100円、スギ中丸太13,100円、
カラマツ中丸太11,900円です。
 ここから何が分かるか。。。。

 平成29年時点で、昭和35年~40年頃の材木価格と同じ。
これは単純に同じではないんですよね。当時の1万円と平成29年の
1万円は同じ1万円でも価値が違います。消費者物価指数を使って、
換算すると分かるらしいですが、昭和40年の1万円は2年違いの
平成27年だと、4.1万円の価値になるそうです。
 となると価格は同じでも、価値はおよそ4分の1。
ウッドショック、材木の価格が高騰・・
国内の林業家からすれば、これで高騰って???でしょう。

これだけ価値が下がってると、材木を売って生活するのは
非常に厳しいですよね。。。だから林業家は減る一方で、
日本の山林は荒れて、林業は担い手が居なくなり、高齢化も
進んで衰退の一途をたどっているのが日本の現状です。

 家を建てるのに、使う材木のこと考えてる人ってどのくらい
居るんでしょう??家を建てるなら、その気候で育ったその地域の
木を使うのが、一番いいことではないでしょうか?

 弊社、木登り器を扱ってますので日本の林業の現状を
知って頂く機会かと思いウッドショックと絡めて書きました。
 長文にお付き合い頂きありがとうございます。